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国立新美術館
国立新美術館
〒106-8558 東京都港区六本木 7-22-2



The Lady and the Unicorn 国立新美術館
The Lady and the Unicorn 国立新美術館
La Dame à la licorne et l'art européen autour de 1500
dans les collections du musée de Cluny, Paris
 中世ヨーロッパ美術の最高傑作の誉れ高い連作タピスリー 《貴婦人と一角獣》 を中心に、フランス国立クリュニー中世美術館の至宝42点を日本で初めて公開いたします。 《貴婦人と一角獣》 タピスリーは、1500年頃、北フランスから南ネーデルラントにかけての地域、もしくはパリで制作されたものと考えられています。 その後、19世紀初めにフランスのクルーズ県にあるブサック城で発見され、プロスペル・メリメやジョルジュ・サンドら文学者が言及したことにより一躍有名となりました。
  「クリュニー美術館のモナ・リザ」 とも呼ばれるこのタピスリーは、その調和のとれた構成の美しさ、醸し出される親しげで秘めやかな雰囲気、そして時の経過によってもたらされた比類なく味わい深い赤色の背地を飾る、千花文様が奏でる麗しいハーモニーによって我々を魅了します。 また、6面のタピスリーの中で、穏やかな獅子に見守られながら、女性たちと神秘的な一角獣が演じる無言劇は、見る者のさらなる好奇心を刺激します。


会期: 2013 4/24(水)〜7/15(月・祝)巡回展は終了しました。
会場:東京展
国立新美術館 企画展示室2E
主催:国立新美術館、フランス国立クリュニー中世美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
大阪展:2013 7/27〜10/20 国立国際美術館
巡回先。

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「貴婦人と一角獣展」:プレス内覧会&開催式
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵
「貴婦人と一角獣展」
プレス内覧会&開催式
'2013 4/23

魅惑し、誘う。この中世の美への憧憬が「愛」である。

女性たちと神秘的な一角獣が演じる無言劇 《貴婦人と一角獣》
【展覧会の構成】
本展は、《貴婦人と一角獣》 そのものの魅力を十分鑑賞していただくとともに、タピスリーに描かれた貴婦人や動植物などのモティーフを、「一角獣」「動物と植物」「五感」「貴婦人の服飾」「紋章」というテーマにそって解読する構成となっております。 また、15世紀末から16世紀初めにかけて、一つの黄金時代を迎えたタピスリー芸術についても紹介します。 貴婦人、一角獣、獅子をはじめタピスリーに描かれた動植物が500年以上の時と文明の相違を超えて我々に語りかけてくれる贅沢な空間となることでしょう。
T 《貴婦人と一角獣》 の6面のタピスリー
U-1 一角獣の図像学:想像の動物誌
U-2 自然の表現:植物と動物
U-3 衣服と装身具
U-4 楯形紋章と標章
U-5 中世における五感と第六感
U-6 1500年頃のタピスリー芸術

T 《貴婦人と一角獣》 の6面のタピスリー
T 《貴婦人と一角獣》 の6面のタピスリー
Les six tapisseries de La Dame à la licorne

各タピスリーの構成は、シンプルで効果的ないくつかの原則に基づいている。 赤い千花文様を背地として、草地を表す緑色の島があり、そこにも花々や動物が散りばめられる 。 5面は、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表わしていますが、残る1面「我が唯一の望み」が何を意味するかについては、“愛”“知性”“結婚”など諸説あり、いまだ謎に包まれています。

T タピスリー 《貴婦人と一角獣「味覚」》 下絵:パリ、1500年頃
羊毛、絹 377cm x 466cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵
貴婦人は、侍女が手に持つ脚付きの鉢から砂糖菓子を一粒、手袋をした彼女の手の上にいるオウムにやるためにそっとつまんでいる。

U-3 衣服と装身具
U-3 衣服と装身具 Le vêtement et la parure
中世あるいはルネサンスの衣服が今日において全くといっていいほど残っていない中で、本展覧会に集められた作品は、フランスとネーデルラントにおける15世紀末、16世紀初頭の女性の衣服と装身具の基本的な特徴を示すものであり、15世紀初頭からどのように発展したのかを明らかにしてくれる。

U-3 右タピスリー 《運命の女神たち》 南ネーデルラント、1510-1520年頃
羊毛、絹 194.5cm x 162cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵
死や病に対する 「名誉」 の勝利を主題とするタピスリーに由来する。人物の描き方、その衣服と頭飾りの細部は、1510-20年代のネーデルラント芸術の特徴を示す。

U-6 1500年頃のタピスリー芸術
U-6 1500年頃のタピスリー芸術 L'art de la tapisserie vers 1500
西欧において、この芸術は、14世紀後半から目覚しい発展を遂げた。生活環境に快適さや豪華さを求めた王侯の注文品として、タピスリーには極めて優れた点があった。都市の邸宅から田舎の城館へ、ある城館から別の城館へと移動する上流社会にとって、タピスリーは移動式の装飾品となっていた。また、古代史や聖書の歴史や、政治的・道徳的なメッセージの込められた歴史を叙述するのに、媒体として適していた。


U-6 タピスリー 《放蕩息子の出発》 南ネーデルラント、1510-1520年頃
羊毛、絹 362cm x 668cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵
これは旧約聖書あるいは新約聖書からとられた主題を描くタピスリーの作例である。 タピスリーは、『ルカによる福音書』(15章11-31節) で語られるたとえ話の冒頭を描き出している。

フランス国立クリュニー中世美術館
The Musée de Cluny - Musée national du Moyen Âge, Paris, France
© Michel Chassat
フランス国立クリュニー中世美術館
パリ・セーヌ左岸、ソルボンヌ大学に隣接したカルティエ・ラタンの一角に、14〜15世紀の古代ローマの公共浴場の遺構とクリュニー修道会が所有していた館の、二つの歴史的建造物を利用して、1843年に国立クリュニー中世美術館として創立されました。およそ170年近い歴史を持つ美術館です。5世紀から15世紀までのヨーロッパ中世美術の傑作を数多く所有し、《貴婦人と一角獣》 に代表されるタピスリーや彫刻、金細工、ステンドグラスなど、そのコレクションは23,000点以上にのぼります。

《貴婦人と一角獣》 のタピスリーは、19世紀初頭、ブサック城がまだ ド・カルボニエール家所有下にあったときに、郷土歴史家によるブサック城の記述において初めて言及される。 1837年、ド・カルボニエール家最後の跡継ぎポーリーヌが城をブサック市に売却した。 市はクルーズ県に城を譲渡し、県は翌年郡庁舎 [郡を統括する副知事の本拠] とした。
中世の美しいブサック城から研究に価値がある、ひどく傷んだタピスリーを救い出したプロスペル・メリメと19世紀フランスの作家ジョルジュ・サンド (1804-1876) はブサック城に何度も滞在している。
1882年ブサック市長が修復を必要とするタピスリーを国に売却することを許可する。 1882年7月のパリ到着時にタピスリーは修復された。 購入時におけるタピスリーの状態など正確な情報は何もない。
1843年の国立クリュニー中世美術館創設時に作成された収蔵作品リストに、《貴婦人と一角獣》 のタピスリーは1882年に登録され、10831から10836までの番号が付されている。
タピスリーの伝統は古く、その起源は古代オリエント美術にまで求められるが、ヨーロッパでその制作が一般的になったのは、14世紀後半のことで、綴織の表現技術の飛躍的な向上と、フランドル地方や北イタリアにおける絹産業や羊毛産業の興隆によって、タピスリーは15世紀、16世紀にその最盛期を迎える。 タピスリーはその繊維という性質上、石造りの宮殿や城館において、まずもって耐寒や耐湿、そして部屋と部屋を仕切るための間仕切りとして使用された。 王侯貴族が主要な注文主になってゆくと、タピスリーは季節や行事に応じて掛け替えられ、さらに居所の移動の折に巻いて運ばれ、新たな居住地に張り巡らされることになる。実用性の一方で芸術作品としての価値がタピスリーに加えられ、宮殿や城館の空間を美しく飾る装飾的役割が加えられた。

お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://www.lady-unicorn.jp/
美術館サイト:http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、フランス国立クリュニー中世美術館、
NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社

後援:外務省、フランス大使館
協賛:凸版印刷、日本興亜損害保険、三井物産
協力:エールフランス航空


参考資料:Press Release、「貴婦人と一角獣展」カタログ他。

※写真撮影の掲載は、主催者の許可を得て行っております。

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